ukaiの部屋

素人がつらつらと文章を書いてます

信じるってなんだろうね

自分を信じて!や、僕は君のことを信じていたのに!など、ある程度の関係性を持った人に対して『信じる』という言葉をよく使う。

『信じる』という言葉には「疑うことなく、頼りにする・信頼する。仏神なとをあがめ尊び身を任せる」という意味がある。※スーパー大辞林引用

そのため、相手に対して『信じる』という言葉を使う際には「信頼して欲しい、任せて欲しい」というような意味合いで使われることが多い。現に私も友人や恋人、部活のチームメイトや親にたくさん『信じて』と言うことがあり、そのいずれも「期待して欲しい、信頼して欲しい」という意味がこもっている。


しかし、『信じる』という言葉はそんなに簡単に使っていい言葉なのだろうか。

『信じる』にはもう一つの意味がある。

それは「疑わずに本当のことであると思い込む」というものである。

『信じる』という言葉を自分が使う際、「期待していて」という思いがこもっているのと同じく、相手から言われる際にも同じ意味を持つ。それは相手自身が「この人はきっとこんな考えを持っているだろう、こういう行動をとってくれるだろう」と自分自身の理想を押し付けているだけなのではないか。そのため理想を低く、信頼に値しないと自分が思っている相手に対して『信じる』なんて言葉を使う人は少数である。私含めてほとんどの人が使う『信じる』という言葉は、今までの経験や推測から相手に自分勝手な優劣をつけ、自分の期待に応えてくれると信用した人に対して使うセリフではないだろうか。本当は最初に話した「疑うことなく、頼りにする信頼する」という意味で『信じる』という言葉を使っている人はいるのだろうか。


先日、映画『星の子』の完成報告イベントにて、主役の芦田愛菜ちゃんが『信じる』と言う言葉について「相手自身を信じていることでなく、自分がその相手に対して抱く理想像、人物像みたいなものに期待していることではないかと感じる。だから人はその人の新しい一面に対して『裏切られた・信じてたのに』と思ってしまう。その新しい一面も全て含めてそう言う人なんだ、と受け入れることが本当の意味での『信じる』と言うことではないだろうか」と述べている。


私はこのイベントで、『信じる』の本当の意味を自分の中で見つかり、『信じる』と言う言葉の意味を深く考えるきっかけとなった。

今まで通りに『信じる』と言う言葉を使っていけば本当に信頼できる人を見つけることができないだろう。

相手のことを「きっとこういう人」と思い込むだけではなく、自分から「どんなことがあってもこの人はこの人である」と、どんな一面もその人だと考えることを意識するべきだ。それはとても難しく今まで以上に『信じる』ことが難しくなる。しかし、キッパリ割り切って考えることで気持ち的にも楽になり、自分にとってもほんとうに『信じる』ことができる人をきっと見つけられるはずであろう。